掲載2010年4月9日

内容紹介・訳者メモ

建築中の家を見れば、電気配線のすごさが分かる。電線でできた鳥カゴに住んでいるようなものだ。目に見えないテレビの電波や携帯電話の電波に依存した生活をしていながら、目に見えるものしか信じない人が多いのも、とても皮肉なことである。

新たに確認された電磁場の危険性-「3型糖尿病」と心臓疾患

New EMF Dangers - Type 3 Diabetes and Heart Disease

ジョージフ・マーコラ博士

By Dr. Joseph Mercola

(Mercola.com)

2010年4月8日

電磁場に敏感なタイプの糖尿病が確認された!

電気過敏症の症状の一つに、糖尿病に似た糖代謝の変質がある。

このビデオでは、1型糖尿病と2型糖尿病の他に、電磁気に敏感に反応するタイプの糖尿病(3型糖尿病)があることが示されている。電磁界にさらされることで血糖値が変動する様子が示されている。

驚くことに、ビデオの中の一事例では、ある糖尿病患者が、外に出てウォーキングした場合には、想定通り血糖値が下がっているが、電動のトレッドミル(ランニングマシン)で運動した場合には、電磁場(EMF)の影響を受け、血糖値が上昇している。

マグダ・ハバス博士(Dr. Magda Havas)は、糖尿病には1型と2型だけでなく、新たに外部環境要因に左右される3型も存在するのではないかと問題提起している。

電磁場(EMF)と心臓

次のビデオでは、DECT(デジタル・コードレス電話)からの放射が心臓に干渉する明確な証拠が示されている。このビデオを見れば、電気過敏症というものが物理的に実在すること、生命に脅威となりうることがわかるだろう。

それも、多くの国で定めるガイドラインを大幅に下回るレベル(1000マイクロワット/平方センチの米連邦ガイドラインに対しわずか0.3%)の暴露(非熱作用)が、生体に影響を与えることが示されている。

(情報源)

Electromagnetic Health (2010年3月22日)

Electromagnetic Biology and Medicine 2008; 27(2): 135-46

マーコラ博士のコメント

電磁気の害などと言うと依然として嘲笑される。多くの公衆衛生当局者だけでなく、当該分野の「専門家」でさえもそうだ。だが、マグダ博士のビデオが示しているように、電磁場が健康に及ぼす影響は、現実に存在しており、大いに懸念されることだ。

私は、今まで10年以上も電磁場の危険について警告してきたが、この間に、Wi-Fiネットワーク、コードレス電話、携帯電話と基地局、その他電磁場を発生するものが激増した。だから、その影響を受ける人が激増するのも、まったく不思議ではない。

電気過敏症で苦しんでいる人は多い

世界的に高名なスイスのパラケルスス・クリニック(Paracelsus Clinic)の医療責任者であるトーマス・ラウ博士(Dr. Thomas Rau)によると、先進国の3~8%の人が深刻な電気過敏症、35%の人が軽度の電気過敏症を患っていると推定されている。

マグダ博士も私もそうだが、ラウ博士も、「電磁的な負荷」が、ガン、集中力の欠如、ADD(多動症)、耳鳴り、片頭痛、不眠症、不整脈、パーキンソン病、さらに背痛の原因にもなることを確信している。

電磁気過敏症(EHS)の人々は、Wi-Fi(無線LAN)設備のある喫茶店に入るだけで、頭痛、倦怠感、吐き気、皮膚のヒリヒリ感やかゆみ、筋肉痛などのさまざまな症状が発生し、衰弱する。

また、二番目のビデオでわかるように、コードレス電話からの放射によって、心拍数が速くなったり、心拍リズムが異常になったりする。

症状が主観的で人によって異なるため、調査が難しい性格があるが、マグダ博士などの尽力によって、徐々に理解が得られつつある。

糖尿病との関係

糖尿病の件数は、ものすごいスピードで増加している。30歳以上の米国人の男の14%、女の12%近くが糖尿病であり、その3人に1人が糖尿病であることを自覚していない。さらに、およそ4人に1人が、糖尿病前症である。

2型糖尿病の原因が食事と運動にあることは否定できないが、電磁場の影響で血糖値が上昇して困っている人もいる。

マグダ博士がElectromagnetic Biology and Medicine誌に発表した研究によると、世界全体で500~6,000万人もの糖尿病患者が一過性の電磁場もしくは「汚れた電気(dirty electricity)」の影響を受けている可能性があるという。代表的な発生源は、テレビ、ステレオなど電気機器である。マグダ博士は、こう書いている。

「汚れた電気」とは、現代の電気製品の使用によって悪質化した電力のことを意味する。

電球型蛍光灯、携帯電話の伝送アンテナ、ポータブル・コンピュータの電源、携帯電話の充電器、調光器、可変速の扇風機など、電圧を変換する変圧器(トランス)を必要とする電気機器は、家の中の電気を「汚す」ことになる。

汚れた電磁場が形成されていても目には見えないが、人体には影響している。そしてさまざまな病気に関係している。

マグダ博士は、1型と2型糖尿病の患者を対象にした4つの事例研究を行い、汚れた電気にさらされる量に比例して血糖値が上昇する、電気に敏感なタイプの糖尿病(彼女は3型と名付けた)を発見した。さらに、電磁気的に「清浄」な環境では、1型糖尿病の人はインスリンの必要量が減少し、2型の人は血糖値が下がることもわかった。

自分が「3型」糖尿病かどうか確認する方法

ここでは、3型糖尿病とは、電気に敏感なために血糖値の異常な変動を起こす人のことを指すことにする(2005年前半にアルツハイマー病のことが3型糖尿病と言われたこともあるが、それとは違う)。

どうやって3型糖尿病かどうか確認できるだろうか?

マグダ博士がビデオの中でまとめているように、次の四つの質問で判定できる。

1.電動の運動器具を使った後で、血糖値が増加しますか?

2.理由もなく、血糖値が急に上がったり下がったりしますか?

3.環境(場所)が変わると血糖値が変化しますか?

4.血糖値を一定に保つのが困難ですか?

この質問に答えるには、いろいろな場所と時間帯で血糖値を測定する必要があるだろう。だが、質問のどれかに当てはまるなら、電磁気過敏症で3型糖尿病の可能性がある。

電磁場と「汚れた電気」に曝露する量を減らす方法

自分が電気過敏症もしくは3型糖尿病かもしれないと思われるなら、電磁場のレベルという意味で環境を改善する手段が多くある。

まず最初に、自宅の電磁場環境を調べる。www.emfsafetystore.comというウェブサイトに、電磁場や「汚れた電気」を検知するのに良い測定器がいろいろ紹介してある。「汚れた電気」のレベルが高いならば、それを打ち消すフィルタがある。

次に、携帯電話の使用量を減らすこと。また、コードレス電話も非常に問題があることを忘れてはいけない。上のビデオの通り、電磁気過敏症の人では、家のポータブル電話(子機)と心拍数の上昇に関係があることが示されている。

この二重盲検試験では、ポータブル電話機によって、心拍数が二倍になった人もいた。この草分け的な研究は、今夏には出版される予定である。ここで紹介した内容以外にも、同種の電磁波が生体に悪影響を及ぼす様々なメカニズムに焦点を当てた内容になる。

理想を言えば、有線通信に戻るべきだが、家でポータブル電話を使う必要がどうしてもあるなら、極めて初期のタイプのDECT方式でないものを使うと良いだろう。残念ながら、商品に表示はないため、使っている電話機が安全かどうか確かめるには、放射量を測定するしかない。www.emfsafetystore.comに、さまざまな測定器のことが紹介され、推薦されている。

従来型のコードレス電話を使う場合でも、親機の場所を、家族が長く過ごす場所や寝室から、最低でも3部屋分、隔てることが大事だ。

そのためには、かなり大きな家が必要になる。普通の家では、家族と親機の間に十分な距離を確保できないかもしれない。無線ルータを使っているなら夜はスイッチを切るべきだが、コードレス電話も切っておくのも一つの方法だろう。

家族を電磁場から守る方法に関して、優れた情報を提供しているウェブサイトに、abcEMF.comElectroMagneticHealth.orgがある。

私も過去の記事で、携帯電話の電磁気曝露の危険を軽減する方策を詳述している。

なお、危険を避けるために最低限しておくべきこととして、ベッドの頭の位置を電気のコンセントから少なくとも1~2mは離すべきだ〔訳註:壁の中に電気配線があるので、コンセントというよりは、壁からベッドを離しておこう〕。それから、寝室の近辺では、Wi-Fi機器、携帯電話、ポータブル電話など、全部の電気製品をオフにしておくべきだ。

それから、電子レンジを撤去することを検討してみてほしい。電子レンジは、危険な電磁波放射という意味だけでなく、他にも健康に良くない影響がある。電気毛布や電気クッションも使わない方が良い。

我々の暮らす環境は、電磁界に満ちている。電磁界への曝露を減らす努力は決して無駄にはならないだろう。

(翻訳:為清勝彦 Japanese translation by Katsuhiko Tamekiyo)

原文の紹介・関連情報

原文 New EMF Dangers - - Type 3 Diabetes and Heart Disease

Cell Phones are Dangerous, But This May Be Far Worse...

4 Steps to Reduce Electrosmog in Your Bedroom

Agency Admits EMFs Can Sicken You

電磁波ナビ「電磁波とは?」

この記事と関係するか不明だが、新東京タワー(スカイツリー)の公式ホームページによると、タワー建設の目的は、都心部に増加している高層ビルの影響で現在の東京タワーでは受信障害が発生していること、そしてワンセグのエリア拡大だそうだ。いずれも他により合理的な方法があるので、要するに建設利権という話なのだが、それだけのことなのだろうか。「災害時の防災機能」も期待されているというが、これもいろいろな意味がありうる。

電磁波過敏症対策.com 「新タワーはワンセグのため」