掲載2010年5月20日
宮崎の口蹄疫とProblem-Reaction-Solution
口蹄疫の問題で政府対策費が300億円以上というニュースが出た。
宮崎県の家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」 問題で、政府の口蹄疫対策本部は19日、発生地から半径10キロ圏内で、感染していないすべての牛や豚計20万5000頭を殺処分することなどを柱とした 総合対策を決定した。
対策費は少なくとも300億円以上にのぼり、政府は予備費などを充てる方針だ。同日記者会見した赤松農相は、殺処分を前提としたワクチン接種につ いて「1週間以内に全頭処分を終えたい」とした。
(2010年5月19日22時38分 読売新聞)http://www.yomiuri.co.jp/
このようにマネー(金額)が出ると、問題の背景が次第にクリアになってくる。(なお、実行犯については既にネットに噂が流れている。私はあえて蛆虫に触れたくない。)
「対策マネー」はどこに流れるのか?
口蹄疫のワクチンをどのメーカーから調達しているのか、具体名がよく分からないが、FAO(国連食糧農業機関)の口蹄疫のレファレンス・ラボラトリー(参照試験所)に指定されているThe Institute for Animal Health (Pirbright Laboratory)の情報では、口蹄疫ワクチン(FMD Vaccine)メーカーとして次の四社がリストにある(全部網羅されていないだろう)。
・Bayer HealthCare バイエル薬品(ドイツ。日本法人あり) http://www.bayer-ah.jp/
・ Indian Immunologicals Ltd インディアン・イミュノロジカルズ(インド) 英国のウェルカム財団(サンガー研究所のヒトゲノム解読プロジェクトに資金提供)からFMDワクチンの製造技術を継承した会社。ホームページhttp://www.indimmune.com/は現在アクセス不能。
・ Intervet/Schering-Plough Animal Health インターベット(オランダ) メルクのアニマル・ヘルス事業部門。http://www.intervet.com/
・Merialメリアル(アメリカ) 「メリアルは動物用医薬品の世界で技術革新の輝かしい歴史があり、メリアルの親会社のメルクとサノ フィ-アベンティスは、100年以上に及ぶ輝かしい歴史のある企業です」メリアル・ジャパンのホームページより。メルク社のアニマル・ヘルスのページ。
また、効き目が一番良いと評判の消毒液「ビルコンS」(Virkon® S)であるが、
「ビルコンS」は動物用消毒剤世界最大手の英アンテックインタ-ナショナル社が供給しており、バイエルが日本国内における唯一の輸入・販売代理店となっています。http://www.bayer.co.jp/bgj/annual_report/br2004.pdf
アンテック・インターナショナルは、2003年後半にデュポンが買収し、デュポンの子会社となっている。つまり、上流にデュポンがいる。
【2010.6.16追記】農林水産省のホームページに備蓄ワクチンの情報があった。
国が備蓄している口蹄疫(O型)に対するワクチンの情報 ウイルス(O型)に対応した国家備蓄ワクチンの概要は次のとおりです。
「豚及び反すう動物用油性アジュバント加不活化精製口蹄疫ワクチン」 (メリアル社製)
製品名 Aftopor 抗原の血清型: O型
形態:200ml容器 2~8℃冷暗所保存
用量:豚、牛及び水牛については、2ml、 羊及び山羊については1mlを 筋肉内接種
国における備蓄量:O型 70万ドーズ
何が問題なのか?
ところで、口蹄疫は、実際にどのような問題を起こすのだろうか。ウィキペディアを見ると、
[症状] 一般的には、感染すると発熱、元気消失、多量のよだれなどが見られ、舌や口中、蹄(ひづめ)の付け根などの皮膚の軟らかい部位に水疱が 形成され、それが破裂して傷口になる。但し、水疱が形成されないケースも報告されている。「口蹄疫」という病名はこれに由来する。水疱が破 裂した際の傷の痛み(細菌によるその後の二次感染も含む)で摂食や歩行が阻害され、体力を消耗する。幼畜の場合、致死率が50パーセントに達する場合もあ るが、成畜では数パーセントである。しかし、上の症状に伴い乳収量や産肉量が減少するため、畜産業に対しては大きな打撃となる。
また感染した肉を人間が食べても感染することは無いという。そもそも普段から抗生物質など、どんな薬品を投与して肉が作られているのか分からないのに、今更騒がなくてもと思う。それでも数パーセントの致死率のために全頭殺処分するのは何故か?
それは実質的に人間の健康に問題があるかどうかというよりは、口蹄疫に感染すると国際獣疫事務局(OIE)の「国際基準」などで畜産業に制限が課せられることが理由のようだ。
実際に危険かどうかではなく、規則で決まっているから危険なのだ!
危険だから危険なんだ!と。
こんな情報もある。
英国に口蹄疫が出現したのは1839年で、アルゼンチンから輸入した肉や乾草についてきたものと推測されています。19世紀には地方病として定着し、農民 に大きな被害を与えてきました。そして1892年から、発病した動物とその周辺のすべての動物を殺処分する方式(stamping out)が始まりました。
ところが、1920年代に起きた発生では、殺処分対象の動物数が多くなりすぎて、順番が回ってくる前に回復する動物が出始めて、農民は殺処分に疑問を持 つようになりました。殺処分するか、それとも口蹄疫と共存するかという議論が起こり、議会での投票の結果、わずかの差で殺処分が勝ったと伝えられていま す。これが現在まで続いているわけです。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsvs/05_byouki/prion/pf116.htm
Problem Reaction Solution
デービッド・アイクが、自分が考えた言葉の中で一番気に入っているという、Problem Reaction Solutionが、まさに繰り返された。
「問題捏造⇒大衆の過剰反応⇒都合の良い対策提示」という流れである。
宮崎の畜産業の方が苦境にあることは拝察する。このような事態になれば、藁をもすがる思いで対策を求める心理は十分に理解できる。だが、それこそが思うつぼなのである。
ThinkerのNaokiさんが、ブログ「口蹄疫事件について考える」で書いておられるように、次は人間だということも想像しておくべきだろう。
例えば「日本全国に感染が拡大し、犠牲者が大量に出るよりは、川南町を封鎖して、住民全員に死んでもらうという苦渋の選択しかない」という論理が展開されたとき、反論できる人はいるだろうか? 多少の人間が反対しても、国境にこだわらない民主党の世界軍が強行するだろう。
その前に、医薬と食糧ビジネスは融合しているので、国産の肉は危険ということで、輸入肉の販売促進キャンペーンだろう。
悲愴な中に軽妙さを
私が最近一番気に入っている言葉は、
(私たち・・・) 「やられちゃってますね」
である。
これは、「おデブ脱出計画♪」のきみしぐれさんが、GMポップコーンを食べながら洗脳ハリウッド映画を鑑賞した後で残された名言である。更にその家路で『完全支配・アグリスーティカル編』を買って頂いたという。
簡単な言葉だが、私にはなかなか思いつかない言葉だ。
一年前に亡くなった陰謀論の巨匠、太田龍氏でも思いつかないだろう。
末法の世の悲愴にありつつも、このような軽妙な精神状態を維持することこそが、パニックに踊らされないコツである。是非「おデブ脱出計画♪」を訪問して、ダイエット・ブログ・ランキングの押し上げクリックに協力いただきたい。